7月18日、アメリカのトランプ大統領はホルムズ海峡でアメリカ軍艦に接近して来たイランの無人機を撃墜したことを明らかにしました。接近された軍艦はアメリカ海軍の強襲揚陸艦“ボクサー”で、イランの無人機に距離900mまで接近され安全が脅かされ、離れるよう警告したのに従わなかったので撃墜したとしています。
しかし距離900mは軍艦との距離を十分に取っている方であり、撃墜という手段を選んだことは通常なら考えられない対応です。おそらく、先月の6月20日にアメリカ海軍の大型無人機がイラン革命防衛隊の地対空ミサイルによって撃墜されたことへの報復や警告的な意味合いが強いと考えられます。
なお今回のイラン無人機の撃墜はミサイルや機関砲などの火器を使用せず、強襲揚陸艦に搭載された海兵隊の対ドローン妨害装置“LMADIS”の妨害電波による電子攻撃によって行われたことが伝えられています。LMADISを強襲揚陸艦の飛行甲板に上げて洋上の無人機に対して電子攻撃を仕掛けたのです。
LMADISはまだ試験が完了していない新兵器で、今年1月にまず強襲揚陸艦“キアサージ”に搭載する運用テストが始まったばかりで2番目として強襲揚陸艦“ボクサー”に搭載されていたものでした。今回の撃墜で実戦運用テストをホルムズ海峡で成功させたことになります。
しかし、イランは19日、米艦船がホルムズ海峡でイランの無人機を撃墜したとするトランプ米大統領の発表を否定。イラン軍の報道官は、無人機はすべて無事に基地に帰還したと表明した。
イランのタスニム通信によると、イラン軍の報道官は“ペルシャ湾とホルムズ海峡のすべてのイランの無人機は、識別と統制という任務を終了して無事に基地に帰還した。(米海軍の強襲揚陸艦)ボクサーから作戦上の対応を受けたとの報告は全くない”と述べた。
イランは6月、領空侵犯したとして米国の無人偵察機を撃墜した。これに対し、米国は、無人偵察機は国際空域を飛行していたと主張している。
イランのアラグチ外務次官は19日、ツイッターへの投稿で“われわれは、ホルムズ海峡で無人機をいっさい失っていない。わたしは、ボクサーが誤って自国の無人機を撃墜したのではないかと懸念している”と述べた。
イランの精鋭部隊“イスラム革命防衛隊(IRCG)”は声明で、革命防衛隊のドローンが撮影した映像を近く公開し、トランプ大統領の主張が“虚偽”であることを証明するとするとした。
イランは前日、核問題を巡り、米国が経済制裁を解除すれば一段と厳格な核査察を受け入れる用意があると表明。米当局者は大きな進展にはつながらないとの見解を示しているが、アナリストの間では、トランプ政権が外交手段の利用に動くきっかけになる可能性もあるとの見方が出ている。
中東専門のウェブサイト“アルモニター”は19日、イランのザリフ外相が、トランプ米大統領に近い共和党のポール上院議員と18日、ニューヨークで面会したと報じた。米イラン間の緊張が高まる中、対話実現の可能性を探ったという。
これに先立ち政治専門紙ポリティコ(電子版)は、ポール氏が米イラン間の緊張緩和に向け、ザリフ氏との面会に意欲を示していると報道。トランプ氏は19日、ホワイトハウスで記者団に、ポール氏がイラン問題に関わることを承認したと述べたが、ポール氏とザリフ氏が面会したかどうかには言及しなかった。
ザリフ氏は18日、ニューヨークで一部記者団に、米国の制裁解除と引き換えに恒久的な核査察を受け入れる用意があると提案したが、米側は公式に反応していない。
もっと、中国外務省の耿爽副報道局長は19日の記者会見で、イランのウラン濃縮活動用アルミニウム製品供給を理由に中国企業などを米政府が制裁対象に指定したことに対し“米国が国内法を援用して他国に単独制裁を行うことに、中国は一貫して断固反対している”と反発した。既に米側に抗議を行ったという。
耿氏は“直ちに過ちを正すよう促す”と述べて制裁指定の撤回を要求。さらに“米国が単独制裁でイランに最大限の圧力を加えたことがイラン核問題の緊張状態の根源だ”と非難した。
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